訃報

big-cobra2011-12-21

稀代の悪役レスラー・上田馬之助選手が、今朝ご逝去されました…。
ガチンコには定評があったものの地味な中堅レスラーだった上田さんが海外に渡り「まだら狼」と化して当時の3団体のエースに挑戦状を叩きつけ、その内の一人ラッシャー木村からIWA王座を強奪した試合を近年になって初めて見る事が出来た。
その時の解説などを聞くと当時は「あの地味な上田が何という変わりよう!」という意見が多く、悪役としての上田さんしか知らない自分は改めて、海外で一匹狼となった決意の重さやプロ根性を感じたものだった。
その後は馬場や猪木と激闘を繰り広げたのはもちろんの事、狂虎タイガー・ジェット・シンとの最凶タッグチームで活躍、ザ・グレート・カブキがブレイクした時にはカブキの向こうを張って黒い顔面ペイントを施したり、UWFがブームになった時はノーガードでニヤニヤしながら(!)あの前田日明の蹴りを顔面で受けきるなど、常に時代と戦ったプロの悪役。
「プロレスラーの肉体だからこそ一命を取り留めた」悲惨な交通事故の後遺症により不自由な身体となるも、常にプロとしての誇りを持ち続けた上田さんの生き様は全てのプロレスラーの模範であり、「プロレスなんて八百長」などと揶揄され肩身の狭い思いをしていた我らプロレスファンの心の拠り所だった。

これは数年前、タイガー・ジェット・シンのカレー屋に行った時に店内に飾ってあった写真。
上田さんがシンにとっても特別な存在だった事が分かる。シンの胸中はいかばかりだろう…。
最後にコブラ塾らしく、上田さんの歴代テーマ曲を振り返る事で哀悼の意を表したいと思います。

ジョニー・ペイト「You Can't Even Walk In the Park」
昭和53年2月8日に猪木と釘板デスマッチで戦った時に使用した、上田さんの初代テーマ。

マッド・マン・エクスプレス「地獄へ堕ちろ!」
新日本、国際、全日本と全ての団体で使用された上田さんの代名詞。

キース・モリソン「スパルタンX
マシン軍団やヒロ斎藤そしてUWFといった新しい波に対して立ちはだかった上田さんの昭和時代最後のテーマ。この曲を使った選手が二人とも逝ってしまわれました…。
改めて、上田さんのご冥福をお祈り致します。