訃報

新年早々、またまた訃報が続きます…
まず我ら梶原チルドレンにとって最後の導師、マッキーこと真樹日佐夫先生。
ほとんどショッカー怪人みたいなビックリ人間ばかり出てくる「プロレス悪役物語」のインパクトは筆舌に尽くしがたく、センセイ・カジワラの芸風をさらにデフォルメしたような真樹先生のスタイルは、塾長のイメージで分かりやすく言うと永井豪に対する石川賢のような存在だった。
近年ではサンジャポやアッコにおまかせでの出オチでしか拝見してなかったが、いわゆる「下世話なゴシップ系コンビニ漫画」で先生が各界のワルを語る企画があり、散々ワルを紹介した後いきなり見開き使って「だが一番ワルいのは俺の兄貴だあああ!!」と絶叫して終わるという素敵にも程がある漫画を偶然立ち読みして「マッキー健在なり!」と安心したばかりだったのに…。
梶原ファミリーつながりで言うと、その後Yahoo!トップでアブドーラ・ザ・ブッチャーの名が踊り「まさかブッチャーまで?!」と狼狽したが、現役引退との事で安心。
真樹先生までもが天に召された今、ブッチャーのような昭和の生き証人にはいつまでも元気でいてほしいものである。


続いて日活が生んだ名優・二谷英明氏。
塾長が刑事ドラマの最高傑作と声を大にして言いたい「特捜最前線」の神代警視正が最も有名だろうが、やはり円谷ヲタ的には「マイティジャック」の当八郎である。

第1話「パリに消えた男」は当がパリで秘密組織Qに拉致されるところから始まる。

「マイティジャックの重要人物・当八郎を救出せよ」という指令のもと、当八郎とはいかなる人物なのか全く聞かされないまま行動を開始するMJ隊員たちだったが、Qからの通信で聞こえてくるのは「何をボヤボヤしてんだ!早く助けに来い」「助け出す自信がないならウロウロしてないで早く帰れ」という人質らしからぬ当の言葉。
「当…大した奴だな」と感心する副長の天田一平(南廣)とは対照的に「何だあの野郎!」と憤慨する源田明(二瓶正也)。

ようやく監禁場所を突き止めて、当のいる部屋に辿り着き「MJの源田が助けに来てやったんだ、泣いて喜べ!」とドヤ顔全開な源田だが、当は「バカな奴だ、お前までとっつかまってどうする」といなす。
とにかく当の言動がいちいち癪に障る源田…


その後MJにも劣らない身体能力と冷静かつ的確な判断力で立ち回る謎の男・当の活躍により作戦は成功。



そしてそこで初めて、当がマイティジャックの新隊長に就任する事が明かされる。
頼もしき男の参入に喜びを隠せない天田らと、不満げにふてくされる源田…。

当は天田と握手した後、他のどの隊員よりも先に源田に声をかける。
「源田隊員、ありがとう。君が助けに来てくれなかったら…」
予想外の言葉に源田は動揺しためらいつつも、当の差し出した手を握り返した…。


塾長がこの作品を初めて見たのは高校生の頃。モアイ像のマークが懐かしいエモーションのVHSソフトだw
「マイティジャック」がウルトラシリーズとは違い大人向けの作品である事は知っていたが、歴代の隊長とは一味違う当の懐の深さ、人間としての器の大きさや大人の余裕のようなものに大変シビレたのを覚えている。
それもひとえに、二谷氏のダンディズム溢れる重厚な演技力の賜物であろう。


真樹先生と二谷氏のご冥福をお祈り致します。