第2回・レッドマン#1

big-cobra2011-06-18

今回はレッドマン編の再録ですが、色々と加筆&修正もしてるんで新たな気持ちで読んでいただければ幸いでございます。

ダークロン
記念すべき第1話にのみ登場した、しかも唯一のミラーマン怪獣で恐らくは撮影用の本物。
このチョイスに制作側の深い意味はこれっぽっちも無いだろうが、こういった情報量の少ない「ウルトラファイト」系の作品ほど妄想のしがいがあるというもの。
ダークロンをパンチやキックでタコ殴りにしたレッドマンが、とどめのレッドアローをなぜか全く別方向の岩に投げつけ、岩が爆発して戦闘が終了するという謎の描写がある。
ダークロンの本体が岩だったとか、岩に変身していたのをレッドマンが見破ったということなんだろうが、奴はもともと異次元怪獣である。レッドマンに幻覚を見せてとどめを刺されるのを免れたとも考えられるではないか!
そして彼はレッドマンを異次元空間に閉じ込めた。倒した怪獣が何度も何度も生き返る、戦いの無限地獄に…!
そう、第2話以降の「レッドマン」は、全てダークロンの作りだした異空間の中での出来事だったのだ!
かぁ〜っ燃えるねえ!
ノってきたところで次いこか!みんな、ちゃんとついてこいよ!w

ジラース
このジラースと次に紹介するバルタン、ペギラ、ゴーロンの4体はスチール撮影もされてメディアへの露出も高い「レッドマン」怪獣の代表格と言うべき存在で、4体とも「全怪獣怪人大百科」に掲載されている。
エリマキを取ってもゴジラに見えそうのないマヌケ面がなんともラブリーなアトラク用のジラースだが、作品全般に渡って何度も登場しレッドマンと激闘を繰り広げた熱血ファイターである。
エリマキがちぢれすぎてほとんどワカメにしか見えないのは、まさしく歴戦の証に違いない!プロレスラーの耳がカリフラワー状になるのと同じだな。

バルタン星人
ウルトラファイト「激闘!三里の浜」で素手に木刀を持っていた奴や、同じく「怪獣死体置場」でゴモラとウーの戦いをフォッフォッフォッと見守って(?)いた奴と同型の着ぐるみと思われる。
ウルトラシリーズでは何度となくウルトラマンを苦しめた好敵手として絶大な人気と知名度を誇る名優だが、今回はレッドマンの強さにビビって敵前逃亡してしまうという体たらく。ただでさえ熱血漢ジラースとのコンビが多かったので余計ヘタレぶりが目立った。
まさに怪獣界のエル・カネック。
実際のカネックがこの屈辱をバネにしてメヒコの帝王に成り上がったように、のちにバルタンも「限りなきチャレンジ魂」を発揮するが…。

ゴーロン星人
ファイト版と同一だとするとボディはブースカの改造というわけで、息の長い着ぐるみだよな〜。
…っとココで追記。どうやらファイト版のゴーロンのボディはブースカじゃなかったらしいね。たまたま同じ素材だっただけの新造スーツだったのかな?
そんな年輪の深さを何よりも表しているのが頭髪。
このハゲちらかりようは尋常ではない。すでにオリジナルよりヤバかったファイト版をブラマヨ小杉だとすると、こちらはさしずめ三浦マイルドか。

ペギラ
珠玉の名獣ペギラ初のカラー作品登場がコレとは、アトラク用とはいえ円谷さんも酷い仕打ちをなさるw
ここで追記!これってアトラク用ではなく本物の成れの果てだって何かで読んだ事あるの思い出したんだが、本当かしらん?!
とにかく、その飄々とした顔はアメリカの漫画のキャラみたいでなかなか愛嬌がある。セサミストリートとかシンプソン家族とかに出てきそう。

中盤に登場した別タイプのペギラ
同じ怪獣でも、造形者によって解釈がここまで違うのかと驚かされる。怪獣って奥が深いなあ。
それにしても、どっちのペギラにも体に白い斑点があるのが気になる。
最新の「全怪獣怪人」には「ウルトラQの時とは違って斑点がある」旨の解説があったが、モノクロだから分からなかっただけでオリジナルのペギラにも斑点があったのだろうか?
ファイト版のキーラーのように、目立つ彩色処理をしただけなんだろうか?
いずれにせよ当時の美術スタッフの間で「ペギラは斑点のある怪獣である」という共通認識が当然のようにあった可能性は高い。真相は如何に?
ここで追記。話題の総天然色ウルトラQでは流石に斑点は無い模様w

イカルス星人
あれだけ酷使されたファイト版の着ぐるみがまだ残っていたとはさすがに考えにくいので、複数体作られた同型の着ぐるみの一体と思われる。
よほど動きやすいのか人気があったのか、ファイト同様レッドマンでも全般に渡って大活躍している。
よくこの作品をイジる時に引き合いに出される「竹やぶで遊んでいるだけのイカルスを一方的に惨殺するヒーロー・レッドマン」は確かに初見ではインパクトあった。顔も可愛いしね、イカルス。
ファイト時代に会得した波涛三段拳法を使えばレッドマンに勝てたかもしれんねw
そういえば、食玩「円谷倉庫」の第2弾にイカルスの保管バージョンが!!これは欲しすぎるううう!!!
追記。あれからヤフオクでゲット〜!

ガラモン
こいつを一目でガラモンと分かった人がどれだけいるだろうか?
全身に敷き詰められた緻密なトゲ、独特な腕の形状…ガラモンほど動きやすさと簡略化が必要とされるアトラク用着ぐるみに向いてない怪獣はいないわけで、それでもあえて作らねばならなかった理由が知りたい。確かに人気怪獣だが、こんなんなるんだったら作らない方がマシだろw

ドラコ
ただでさえナメられがちな羽根無しドラコ、しかもソップ型…案の定、初期話数では軽くあしらわれてしばらく姿を消していたが終盤で突如参戦、ジャンピングニーパットジャイアントスイングさらに投げ捨てパワーボムまで駆使して、レッドマンを最も追い詰めた最強怪獣として見事復活を遂げた。
本作品はウルトラファイトと違いヒーローと怪獣のバトルのみの番組だから画面には映らないだけでドラコもまた、かつてのイカルスやゴドラのように血の滲む特訓をしたに違いない!

中盤に登場した別タイプのドラコ。
こいつは大したことなかったw

ウー
イカルス同様、ファイト版と同型の着ぐるみと思われる。
造形のみならずキャラクター面でもオリジナルとのギャップが激しい本作品だが、ウーに関してはファイトで「暴れん坊キャラ」が浸透しすぎているので違和感は無かった。
ファイト時代を思わせる暴れっぷりは健在だったが、イカルスのように息の長い活躍は出来ず。

カネゴン
うわ!口がビローンいってますやん。これはひどいレッドマンを食べようとしてたけど、そりゃお金じゃないぞ!
こいつが「カネゴンの繭」ラストで日本人が総カネゴン化した内の名もない一人ならともかく、金男本人だったら可哀想すぎる。誰か渡辺文雄を呼んでこい!
そもそもウーもそうなんだが、「ウルトラファイト」や「レッドマン」の凄いところはオリジナル設定を完全に無視するセルフパロディにあるまじきアナーキー精神。ウーもカネゴンも普通に敵として登場し、二匹まとめてレッドアローで串刺しにされて死にます。どひゃー!

メフィラス星人
自販機の中にうずくまって男子小学生を狙っていた変態マンダリン野郎(有吉風)よりは造形がマシで、比較的気品めいたものは感じられる。
もちろんやってることは他の怪獣同様、ゴモラとマジ喧嘩をおっぱじめるなど知性の欠片もないが、最後の戦いにおいてレッドマン待ち伏せして不意を突いたのは「レッドマン」怪獣にしては賢い戦法だった。


ゴモラ
ゴモラにも前期と後期の2タイプが存在する。
最近巷では「大怪獣バトル」というウルトラ版ポケモンのようなモノがあるらしく、そこでのゴモラピカチュウ的存在だと言うから頼もしい。
やはり名獣は時代を超えて輝き続けるものだが、そんな彼にもこういう時期がありましたw
しかしファイト版も含めると、最低3種類以上のアトラク用着ぐるみが製作されていたわけで、それぞれの出来はともかく当時からの人気ぶりが窺える。
ちなみに後期タイプ(写真下)の腹部の処理がハヌマーン版に似ているので、ひょっとしたら同じ製作者かもしれない。

エレキング
寸胴で頭でっかち、ポピーのキングザウルスシリーズの人形にそっくりな愛すべきエレキング
榴弾を模した発煙筒を振り回して投げつける不思議な戦法が印象的だった。

中期タイプ。首が長くなり、ファイト後期版に近いスマートなフォルムになった。
十数年前、円谷プロの倉庫からこのタイプのエレキングが登場したものを含むラッシュフィルムが数話分発見され、それが「ウルトラマンタロウ」のLDに特典として収録されたのを受けて、晴れて最新の「全怪獣怪人」にテレスドン、ザゴラス、コダイゴンらと共に初収録されたラッキーな奴。

最終回にのみ登場した後期タイプ。
長い首はそのままに重量感を増していて、最もオリジナルに近い着ぐるみと言える。
その強さも相当なもので、前述のドラコを思わせる強烈なプロレス技を数々駆使し、ラストバトルに相応しい激闘を展開した。
最後はレッドナイフで首を切り落とされるが、まさに怪獣冥利に尽きる最期であった。

テレスドン
さすがにあんだけ使い回されたオリジナルの着ぐるみは残ってなかった模様…。
ただファイト版はオリジナルと言われていながら足の節の数が違うなどミステリアスな謎が囁かれていたが、コイツはどー見てもアトラク用w
オリジナルが経年劣化してボコボコになってしまった教訓からか、必要以上にシャープに作りすぎた余り、そもそもテレスドンにすら見えなくなってしまったかのような異相ぶり。
いっそのことコイツを幻の地底怪獣ゴーモンと呼んでもいいのではないだろうか?!w
前述の通り最新版「全怪獣怪人」に収録されているが、「岩石に1秒で風穴を開ける」という出典不明の解説が付されている。

ザウルス
「戦え!マイティジャック」から唯一の登板。
この他にも結構いろんなイベントに駆り出されていたらしく、当時は今ほどマイナーな存在ではなかったようだ。
まあ見た目がまんま有名なブロントサウルスだし、ただでさえ当時は恐竜と怪獣をいっしょくたにするメディアも多かったので「マイティジャック」自体の知名度に影響されなかったのだろう。
それにしても、どうせならパッキーやミイラ怪獣(元ケロニア)も出てほしかったなあ。あとハプニング島の大ワニ…は無理か、本物だしなw
レッドマンが頭に生肉をつけてワニケースに顔だけ出してどこまで距離を縮められるか?!そりゃレッドマンじゃなくてただのガンバルマンだw