第2回・レッドマン#2



アーストロン&ゴーストロン
撮影終了から日が浅いせいか、本作に登場する「帰ってきたウルトラマン」怪獣はほとんどが本物で、しかも状態もいい。
だが例外的にアーストロンは撮影終了後ゴーストロンに改造されてしまったのでアトラク用の着ぐるみでの出演である。
そうなると期待されるのは、オリジナルでは物理的に実現不可能だった兄弟怪獣夢の競演であるが、それは残念ながら周知の通り「ザ☆ウルトラマン」まで待たなくてはならない…。


ダンガー&シュガロン
ダンガーもまた本物はシュガロンに改造されてしまっているのでアトラク用だが、かなり大きめに作られていて撮影用と言ってもいいくらい迫力がある。
シュガロンは、本作唯一の光線技「レッドサンダー」で倒されるという名誉ある最後を遂げた。

本企画の主旨から少しそれるが、これは「帰ってきたウルトラマン」放映当時にブルマァクから発売された怪獣ボーリングのCFのひとコマである。
のちに「レッドマン」に参戦する怪獣がほとんどだが、中央のダンガーは明らかに別物。本物のシュガロンもいるのでこのダンガーもまたアトラク用である事が分かる。
今でこそマイナーなイメージのある地味な怪獣だが、当時はアトラク用が最低2体以上作られたほどの人気怪獣だったという事か。
蛇足だがバルタンも見慣れないタイプ。
アトラク用のバルタンと言うとウェットスーツやバレエ用タイツに各パーツを貼り付けたものが定番だが、これはオーソドックスなタイプの着ぐるみのようだ。

サドラ
本物らしく状態も良好、出番は多いけど大した活躍もなかったので特に言う事もないなあ…w

ここで追記アーンド追加掲載。
以前ヒューマンの時に紹介した「昭和の情景」には帰ってきたウルトラマンショーの模様も収録されていたので、その時のひとコマを特別掲載。
レッドマンではおなじみの面々だが、サドラは全体的にファットで本作品とは別バージョンの着ぐるみなのが分かる。

グドン
動くたびに上顎がガクンガクンするなどくたびれ具合が著しいが、終わってみれば最多出演だった根性の人。文字通り、劣化した着ぐるみにムチ打って頑張りました!
「ファイヤーマン」でネロギラスに喰われた奴は別の着ぐるみだと思う。

ステゴン
格闘に向いてない四脚怪獣でも元気に暴れまわるのが本作品のいいところ。
こいつなんて元気出しすぎて、ステゴンのクセにキングストロンと戦って勝っちゃうんだから凄い。
かつてのシーボーズの後継者として「骨キャラは荒くれ者」というジンクスを確立するかに思われたが、早々とフェードアウト。

キングストロン
オリジナル本編では背中の二本の角を後ろ向きにされると力が半減したが、今回は場面によって角の向きが互い違いになってたりして、何とも情緒不安定なキングストロン。そんなだからステゴンに負けちゃうんだよw

ブラックキング
二回のみの出演が惜しい強豪怪獣。
レッドマン」はアクション主体の作品と言えば聞こえはいいが、要は低予算で大した特撮が使えないだけ。
よって戦いの上での飛び道具といえば怪獣の口や両手から発射される設定無視の速射弾くらいだが、ブラックキングはそれを初めて使った怪獣でもある。

ベムスター
帰ってきたウルトラマン」はウルトラブレスレットという看板武器があるせいか怪獣の切断率が異様に高い。
切断といっても着ぐるみを実際に切るパターンと、着ぐるみと別に作られた人形を切るパターンがあるが、ベムスターは明らかに前者だっただけに「レッドマン」への登場は驚かされた。
もはや当然のごとく強敵らしい描写はゼロだったが、「人気怪獣のその後」が見られただけでも価値があった。


ビーコン&ノコギリン
忍者のように神出鬼没な動きを見せるのも「レッドマン」怪獣の特徴。
まあ速射弾のように最低限の予算で可能な特撮だっただけなのだろうが、この両者が見せたブラックハーツばりの入れ替わり戦法はなかなか印象的であった。
両者ともある意味、四脚モノ以上に格闘に向かないフォルムだが、特にビーコンは長い間頑張ってたなあ。


サータン&ミステラー星人
こういった「しょっきり相撲的怪獣もの」(マガミチヲ様命名)が低予算にもかかわらず子供達の支持を得たのは、いつもやっている「怪獣ごっこ」に近い臨場感を醸し出していたからではないだろうか。
レッドマンはそんな子供達の欲望を満たすかのように、サータンの引っ張ってくれと言わんばかりの鼻を引っ張りまくり、ミステラー星人の棒を突っ込んでくれと言わんばかりの口にレッドアローを突っ込みまくる!
「僕ならこの怪獣とこう戦う」という視聴者の欲望に忠実なレッドマンこそヒーローの鑑だ!

ゴキネズラ
アーストロンとゴーストロンとトリオで出てくれたら、それこそプレ「ザ☆ウルトラマン」だったのにね。
しかしレッドキングアボラス、バニラあたりはともかく、ゴキネズラというチョイスは余りにも渋過ぎる。円谷プロの功労者である末安兄弟へのリスペクトか?

ザゴラス
「全怪獣怪人」には「ヤマイモの葉の様な尻尾を使い、砂ケムリを起す」という解説があるが、資料が少ないと外見を弄りまくって設定をデッチ上げるのは本シリーズの常套手段。
せめて「怪獣界のじゃみっ子である」くらいの粋な解説が欲しかったw

グロンケン
観音様を切断したバチが当たったか、両手のノコギリを失いドラえもんみたいな手のまま転生してしまった、業の深い怪獣。
レッドナイフとの凶器対決が見たかった…子供の教育上最悪ではあるがw


プルーマ&キングマイマイ
「11月の傑作群」の名優たちはそれぞれ一回ずつのプレミア出演。
キングマイマイの劣化ぶりは酷く、一回しか出ないのもやむなしと言えなくもないが、プルーマはもっと出てもおかしくないくらい着ぐるみのコンディションがいい。
オリジナル本編では重厚なドラマの陰で個性を発揮できなかっただけに、もっと活躍してほしかったな〜。

レッドキラー
グロンケン同様、両手のブーメランを失ったただの「パンチ怪獣」とはいえ、初登場ではなかなかの強敵としてレッドマンに立ちはだかった。
あのエースキラーのように、レッドマンを倒す為に生み出された刺客「レッド(マン)キラー」と解釈すると面白い。
…じゃあ尚更、あの通り魔ヒーローと対抗するのに刃物は必須だよなw


グラナダ
ケンタウルス星人
岸田隊員の悲恋物語を彩ったこの2体もそれぞれ一回ずつの出演…ってちょっと茜さん!アタマ燃えてますよ!バードンと戦ったゾフィみたいになっとるがな。
そんな茜さんことケンタウルス星人は、本編ではロマンチックな物語とショボい造形物の余りのギャップのせいか、登場時間が異様に短い上に全体像すらロクに映してもらえなかったという、ストーリーとは別の意味で悲劇の宇宙人として有名。
よって「レッドマン」では本編より長くハッキリとその勇姿を堪能出来ます。
まあ頭燃やされたりボコボコにされたあげく最後はレッドアローで串刺しにされるのだがw

コダイゴン
「全怪獣怪人」には「蓮根湖の神様がまたもや御乱心に」という洒落た解説がある。
それにしても主人であるグロテス星人が「レッドマン」に出演していないのはちょっと意外。
チープな造形とガラの悪さ、武器の発砲弾などオリジナルの時点でここまでレッドマンワールドに馴染んでる奴も他にいない。
「タロウ」当時に二子玉川園で開催されたイベントにはグロテス星人は参加しているので、「レッドマン」参戦は不可能ではなかったはずなんだけどね。

ササヒラー
悪のポリンキーことササヒラーも動きずらそうな体を奮わせてレッドマンに果敢に挑んだ一人。
まあヤメタランスをもってしても戦いヤメなさそうな人だからなあ、あの赤い人は。こうなったら郷秀樹考案の頑張り怪獣ヤッタルデーあたりを投入してほしかったものだ。


バット星人&ドラキュラス
どちらも子供の頃からなじみのあるよく知っている怪獣なのだが、本作でコンビで登場したのを見てはじめて「こいつらって実はキャラかぶってたんだな」と思い知らされたわw
どっちも宇宙人だけど、バット星人はゼットンよりドラキュラスを操ってる絵の方がしっくりくる。それが身の丈に合った地球侵略ってもんですな。

ゼットン
同じ円谷プロのスタッフなのにゼットンのネームバリュー解っとんのか?!と言いたくなるくらい普通の怪獣としてレッドマンにボコられた上に、最終回の座をエレキングに奪われた悲劇の最強怪獣。
まあそもそも造形がコレだからやむなし…というツッコミすら飽き飽きしちゃいますなw


さてさて第2病棟時代はここで終わったレッドマン編だけど、実はまだネタがあるんで次回に乞うご期待!