サンダーマスクの正しいイジり方1

big-cobra2011-05-24

今や「サンダーマスク」は既に各方面でイジられ尽くされてるネタではありますな。
特に第19話「サンダーマスク発狂」は現在ツベで唯一見られる映像だし、今では放送不可能なストーリーである事からカルト的な人気と知名度を誇っていると言っても過言ではない。
しかし「サンダーマスク発狂」は全26話の中のいちエピソードに過ぎず、これを以て「サンダーマスク」という作品の全てというか代名詞のように語られるのはチョット違うんじゃねーかと思う。
むろん語る方にそんなつもりは無いだろうが、「サンダーマスク発狂」のような「ウケる題材」を前面に押し出し続けるうちに「サンダーマスク?ああ、シンナーのやつね」みたいな共通認識が芽生えてしまってるのは事実。
それもこれも創○が版権問題をこじらせてるから全エピソードが陽の目を見る機会を失っているせいだが、今ここでそれを言っても始まらない。
かくいう塾長も全エピソードを見れたわけではないのでエラソーな事は言えないが、塾長が考える「サンダーマスクの真骨頂」をこの場を借りてお伝えしたい。
というわけで「サンダーマスク発狂」を再び引き合いに出すが、確かに本エピソードにおける、ヒーローたるサンダーマスクがシンナー中毒の脳みそを移植されてラリる描写は衝撃的ではあるが、当時の世相を積極的に取り上げ、シンナーの危険性を画面を通して訴える事は、テレビ番組の在り方として極めて健全である。
ここで問題にすべきなのはシンナーだの発狂云々などの表面的な部分ではなく、そうした志の高さが全く伝わらない、演出の稚拙さなのである。
とにかく「サンダーマスク」には、意味不明な描写やムダとしか思えない演出が多く、それがドラマの命とも言えるテンポを狂わせている。
そのグッダグダなドラマ展開が、ある意味シンナーよりキクのなんのって!

塾長が本作で最も気になる存在が、この四人組である。
高瀬宇宙研究所のロクさん(画像向かって右端)を先輩と呼び、いつも四人でフラフラ遊び歩いては事件の現場に呑気に顔を出す若者たち。
誰が見ても、いわゆる「ズッコケ要員」である。

第3話「火を吐く魔獣」では、突如宮の森団地に現われながらも、ピクリとも動こうとしない魔獣バラジュードンに対し、いつ暴れ出すか分からない緊張感の中、主人公たちが監視しているところへシャアシャアと現われる。

「先輩、何やってんすかあ?」
「魔獣を見張ってるんだよ!」
「すげえなあ。俺にもその双眼鏡で見せて下さいよ!」
「俺にも俺にも!」
「バカ、いつ暴れ出すか分からないんだ。帰ってくれ!」

実際の台詞回しは異なるが、概ねこんな感じのやりとりだ。よくあるシーンですね。
さてこの後には、どういう展開が待っているのか。

・主人公たちの制止を無視して魔獣に近付いたところでタイミング良く暴れだし、四人が大ピンチに!決死の救出作戦が展開される。
・やはり魔獣が暴れだし、巨大な翼による突風で四人が吹き飛ばされ、遠くの木の枝に引っかかって宙吊りになり「お助け〜!」

彼らズッコケ要員の使命は、いらん事をして味方を窮地に追い込む事でストーリーを一気に加速させるか、ストーリーに直接絡まないにしろオモシロオカシイ立ち居振る舞いでお茶の間にひと笑い起こすか、そのどちらかに尽きると言っていい。
ところが!

「分かったよ。じゃあね先輩〜」
「ああ、気をつけてな」

帰っちゃったよ!
素直に言う事聞いて帰っちゃったよ!!
もちろんこの後彼らは一切登場しない…。
お前ら何のために出てきたん?!w
塾長は初見の際、余りの衝撃に思わずこのシーンだけ巻き戻して再度注視したが、見れば見るほど何のために存在するか分からないくだりだった。
単なる尺合わせにしても、もうちょっと何とかならなかったものか?!
う〜ん…
……

つーかさあ…
そもそも、四人も必要か?w
大体2〜3人だろ、この手の集団は。
それならばせめて、デブとかメガネとか分かりやすいキャラ分けをすべきなのに、揃いも揃って同じような髪型、同じような格好の若者を四人も並べる意図は何なのか?
当時の人気アイドルだったフォーリーブスでも意識してるのだろうか?
流行を取り入れるのは結構だが、ただでさえ少ない予算の使い道をもうちょっと考えて欲しかったものだ。
彼らのギャラを合わせたら、ビルのミニチュアの一つでも余計に作れたのではなかろうか?

だがその後の第7話「地球の油を吸いつくせ」では、ドリフばりの爆発オチでようやくギャラ分の働きをしたという事で、安心…
できるか!w