道重さゆみ怒濤のゴールデン2時間スペシャル」(脳内BGMは映画SWATのテーマ、妄想ナレーションは田中信夫)に、別の意味で口の中が渇きっぱなしのコブラ塾長です。
すっかりロンハー格付けのレギュラー姿も板に付き、冒頭でイジられもしないあたりが逆に風格を感じさせる。
大久保さんや後半登場する「ある人」はマイナス要素として指摘していたが、プライベートを下世話に切り売りする格付けコーナーにおいて、周りのフォローもあるとはいえ恋愛経験が無い(というより有るとは言えない)致命的なハンデを背負いながらここまで自己主張をしてレギュラーにおさまったのは本当に凄い事だと思う。


そんなさゆが今の地位を勝ち取るために何度となく繰り出した血と汗と涙の結晶というべき鉄板ルーティン…misonoとのお馴染みの攻防、そして新たな抗争相手にふっかける因縁。
だがそれらも川口浩から見れば、底無し沼に見立てた水たまりに落ちたり、ちっこい蛇にちょっとだけ噛まれる程度の前菜に過ぎなかった。

原始猿人ヴァーゴンよりも双頭の大蛇ゴーグよりも手強いラスボス・有吉登場!
ついにこの日が来た!待ちに待ったさゆと有吉の直接対決。
パーテレポジションで睨み合うブルーザー・ブロディディック・マードックの日本初対決に勝るとも劣らない、この胸の高鳴りをどう静めていいものか。
以前も述べたように有吉は、「再ブレイクした芸能人」という意味でさゆだけでなく娘。やハロプロ全体が見習うべき手本であり高い壁である。
お笑いとアイドルは確かに違うが、幸いにも今のところさゆだけは有吉と同じ土俵で戦える術を持っている。さゆにとって有吉との邂逅は避けられない試練なのだ。


結果は予告編での言葉を借りればまさにフルボッコ状態…だがそれでいい。
いくらヲタの贔屓目で見ても有吉に口で勝てるなんてハナから思っちゃいないし、カタギの視聴者が見たいのは憎たらしい道重が完膚無きまでに叩きのめされるシーンに違いないからだ。
とはいえ瞳こそウルウルしていたが泣かずに冷静に反論したのは偉いし、元々ハロプロとしてはかなり打たれ強い方だと思っていたのだが有吉の評価は辛辣だった。
やはり「ハロプロ基準」などというものは芸能界ではクソの役にも立たない、ぬるま湯同然の価値観であると言わざるを得ない。個人的にはヨソのアイドルと比べてもハロプロは甘やかされている印象がある。「アイドルだから」という問題だけでは済まされない、過保護すぎる体質がハロプロにはある。
だがさゆは来たるべき有吉との再戦を約束した事で、そのぬるま湯から抜け出そうとしている。
…と言っても有吉との再戦は「恋愛経験を積んでから」という事だが、それは即ち「アイドルを卒業して恋愛ネタを解禁してから」という事であり、それでは従来のOGどもと何ら変わりはない。
願わくば今の立ち位置のまま再び挑んでほしい。アイドルという十字架を背負ったままの状態で、有吉以上の巧みな言葉選びで屁理屈や理論武装を振りかざし、最後は打ち負かしてほしい。
そこまでやらないとさゆがバラエティに進出した意味がない。今の活動が娘。卒業後の予行練習では困るのだ。
今までハロプロの誰もがやらなかった、というよりテメエで勝手に男遊びがバレて周囲に後ろ足で砂をかけて「脱走」してからでないと出来ない事を、さゆが誰にも迷惑をかけずにやり遂げてこそ意味がある。
毒舌が他メンのイメージも落としているではないかという意見もあるかもしれんが、それこそ甘やかしである。
俺自身も含めたキモヲタごときのヌルい価値観で測った許容範囲内の行動などでは絶対ハロプロは再生しない。それは偉大なる先人・有吉の2回のブレイクの違いを見れば明らかではないか!

それにしても誰かは知らないが、さゆをブラマヨなみにデキる奴と評価してくれた業界人がいたのは嬉しい。
さすがに俺から見てもホメすぎな感は否めないわけで、それは買いかぶりだったと小馬鹿にする有吉を見返す義務がさゆにはある。
このままで終わらせていいわけがない。
そう、このまま終わらすなんて、どうかしてるぜ!!

最後に。
有吉はさゆと「血みどろの斬り合い」をしたいと言った。
そういえば「タイガーマスク」のルリ子さんは、黄色い悪魔として無法の限りを尽くして得たギャラを全て孤児院に寄付していたタイガーマスクを「血みどろの天使」と形容した。
現在バラエティでの悪舌三昧が功を奏し、さゆの娘。内での知名度はダントツである。縁起でもない例えで恐縮だが、娘。を辞めても全く差し支えない芸能生活を送れていると言っても過言ではない。
しかしある時はブログで綴られ、ある時はテレビで毒舌の間隙を縫って語られるメンバー愛、ハロプロへの想い。
娘。そしてハロプロの浮沈を懸けて、敢えて極悪ヒールを演じ続ける「可愛い悪魔」うさちゃんマスクこと道重さゆみこそ、平成に蘇った「血みどろの天使」に他ならないのだ。