うさちゃん無双


もう感無量です。
例えるなら「プロレススーパースター列伝」第5巻58ページ、息子ジュニアのNWA王座初戴冠に立ち会った父ドリー・ファンクの心境である。
百戦錬磨の女狐が集う、女性芸能人にとって最大の修羅場であるロンハー格付けで、あの道重さゆみがここまで活躍してくれるとは。
俺は以前からさゆのハロプロ離れした「打たれ強さ」や「切り返しの早さ」を評価していたが、正直この番組でも通用するか懸念していた。
しかし賢示に国生、misonoといった芸能界最強クラスの女狐達を相手にした三國無双さながらの立ち回りを見て、その不安は杞憂であったと確信した。
ダテに写々丸に「水着も真っ黒」などと言われていない、息をするように毒を吐きまくるその姿からは「今日のさゆみはテッテ的にこのキャラでいくの!」という、愚直なまでに固くブレないプロとしての決意が感じられる。
「お試し期間」と言われた過去のバラエティ出演経験を自信に変え、番組から自分の何を望まれているのかを十二分に理解しそれを遂行したさゆの成長には目を見張るものがある。
そして同性からのヒール人気を確固たるものにした、ウザさ上等の可愛さアピールも抜け目ない。
ゴールデンタイムでのうさちゃんピースなんて、過去ちょっと記憶にない。道重さゆみというキャラクターのキービジュアルが初めて全国区に披露された記念碑的瞬間とも言えるだろう。

しかし忘れてならないのは、道重さゆみを新しいスターにしようと彼女のキャラを真正面から受け止めてくれた、共演者達の暖かいフォローである。
さゆを基本的には姫扱いしつつも、「異端児」と呼びその毒舌キャラを殺さないようギリギリの弄り方をしてくれた淳。
さゆの毒舌にケレン味あふれるバンプをとりつつも、同じ集団アイドルの先輩として彼女の素質を見抜き、真面目にフォローしてくれた国生。
人はみな対立の図式に興味を抱く。「大っ嫌い!」と罵ることにより相手を生かし自分も生きるmisono。歌手とバラエティを両立させている彼女はある意味ハロプロ全メンバーの手本である。
全体的にヘタレなキャラを進んで演じ、自ら見事に「死んで」みせた賢示は結果的にさゆを引き立たせた。
そして過去音楽戦士でガップリ四つの絡みを見せたことのある、今回の出演者の中ではさゆと最も馴染みのある存在ながら、新たな画作りのためにあえて距離を置き、賢示やmisonoにさゆのライバルの座を譲ったIKKOもとい青木。
決してさゆ一人の功績ではない。
モーニング娘。がチームワークに重きを置きつつも個々の輝きを失わない素晴らしき共同体であるように、番組も一緒なのだ。まあこんなことは素人の俺に言われるまでもないだろうがw
そしてもう一つ注目すべき事は、これだけの大舞台なのに誰のバーターでもないという事。
身内のフォローなしでここまで堂々とした立ち振る舞いは頼もしいという他はない。
もっとも今回は自分のアピールだけで精一杯だった感も否めないわけで、今後他メンをバーターとして引っ張る立場になった時のために、やはり昨日書いたように先輩の教示を仰ぐのが必要だろう。
もちろん俺は実際の収録現場を知らないが、編集やテロップからもスタッフの愛を感じた。少なくとも今後彼女を売る気は充分にあると思う。
しかし、何でもっと早くこうしなかったかなーーー!!
こんなこと思うのは今に始まったことじゃないけどさ、こういう百点満点の結果を見せられると余計強く思う。
ヲタの贔屓目を抜きにしても、さゆはバラエティで磨けば磨くほど光る逸材。嫌われたっていいじゃないか、「好かれてない」より「知られてない」方が芸能人にとっては辛いのだから。
どんなきっかけであれ、「知られて」しまえばこっちのもんだろ。ただでさえハロプロにはさゆ以外にも素晴らしいメンバーがたくさんいる。格好つけた言い方をすれば、ハロプロメンバーの数だけ可能性があるんだ。
コソコソと「おまいつ」連中から金を搾取するより、こういう路線の方が将来的に有望なのは小学生でも分かることだと思うんだがな。
赤羽橋のお偉いさん方、これでも「アーティスト路線」とやらに拘りますか?
…あ、あいつら小学生以下だから平仮名じゃないと分からないか。…これでも「あーてぃすとろせん」とやらにこだわりまちゅか?