ジプシー・ジョー82年ロマンス

big-cobra2016-06-17

放浪の殺し屋ことジプシー・ジョーが亡くなりました。
国際でトップヒールに君臨していたこの人を一言で言い表すと「B級の中の超A級外人」。国際プロレスの醸し出すマイナー感、泥臭さ、そして人間味。それはそのままジョーのパーソナリティでもあった。
国際崩壊後はまさにジプシーの如く全日本に転出するが「A級の中のA級」がひしめく全日本マットではやはり2番手以下に。しかしながら定期的にジョーの姿を見ないと、どこか淋しさがこみ上げてしまうのは、ジプシー・ジョーという存在もまたプロレスファンの魂のふるさとだったのかもしれない。
享年82。大位山の肋骨を叩き折った金網最上段からのニードロップ、伝説のパイプ椅子破壊パフォーマンス…他のどんなレスラーよりも早死にしそうなファイトスタイルでありながらここまで長生きできたのは、ギミックではなくリアルでアイアンマンな肉体の持ち主だったのだろう。
慎んでご冥福をお祈りいたします。

国際時代のテーマはマハヴィシュヌ・オーケストラの「御言葉」(06:05〜)。
いわゆる「金網デスマッチのテーマ」と呼ばれるドラムソロ曲はこれを含め2種類存在しており、もう一つはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「エヴィデンス」だが、のちにジョーの個人テーマに「昇格」したのは「御言葉」の方だった。
飾り気のない、シンプルで野性的なドラムの連打はジョーに似合いすぎていた。

大木金太郎のテーマ「コズミック・ハイウェイ」と同じアルバムの収録曲で、コージー・パウエルの「キラー」。
国際プロレス最後のテレビ中継となった、昭和56年のダイナマイトシリーズ清水大会にてカール・ファジーと組んで阿修羅・原&マイティ井上組の保持するIWA世界タッグ王座に挑戦した時のみ使用。いかにも悪役然とした曲だが、「御言葉」に比べると物足りない。
実は前年マイク・ジョージが一回だけひっそりと使ってたりする。

残念ながら全日時代はテーマ曲が存在しなかったが、平成に入りインディー団体W★INGに来日した時はディープ・パープルの「ジプシー」を使用。
とにかく哀愁タップリの素晴らしい選曲だと思う。