訃報

big-cobra2014-07-01

俳優の斎藤晴彦さんが亡くなられました。
「放浪記」「レ・ミゼラブル」など舞台での活躍が有名な役者さんだったようですが、一般には↓のCMでお茶の間にも広く知られました。

でも塾長の世代の特撮ヲタ的にはやはり「ロボット8ちゃん」のバラバラマンが最も思い出深い!
ロボット管理庁勤務の公務員で、未登録ロボットの8ちゃんを解体せんとスパナを振りかざし、8ちゃんを日々追い回す敵役だが、彼も一介のしがないサラリーマン…かつての部下が出世して上司になってしまうなど中年男の悲哀に満ちた描写が多く、子供よりも一緒に観ていたお父さん達に絶大な支持を得た、「東映シュールコメディシリーズ」全体で見ても一、二を争う傑作キャラでした。
そんなバラバラマンこと斎藤さんが歌うエンディングテーマ「赤い夕陽のバラバラマン」。最後のボヤきは、テレビでは毎回違うセリフでした。

次々作「ペットントン」では主人公ネギ太のお婆ちゃん役。
ばってん荒川の世代ではない塾長にとって、「男性の演じるお婆ちゃん」御三家は志村けん青島幸男そして斎藤晴彦さんでした。
そして、このシリーズのヒットにより同じエッセンスの新番組がゴールデンに進出したのが「TVオバケてれもんじゃ」。もちろんヒットの立役者たる斎藤さんもレギュラー出演。
壊れてフジテレビしか映らなくなってしまった林家のテレビから生まれたてれもんじゃを抹殺し、新しいテレビを買わせようとする電器屋のオヤジが電気大明神に祈りを捧げて変身した怪人ザ・グレート・デンキも忘れられない名キャラクターでした。



「ミスター・ヤング!人はフランスパンのみに生きるにあらずですぞ!」
宇宙刑事シリーズにも2回、怪人の人間体の役でゲスト出演。
宇宙刑事シャリバン」のメインストリームたる奇星伝の一遍である19話では、常に讃美歌のような曲をラジカセで流しながらフランスパンを食べている謎の神父(魔怪獣カタリベビースト)を怪演。
悪役なのに普段のコミカルな芝居のままなので、余計に不気味で恐い!

「♪ロンドン橋が落っこちる〜My fair lady」
宇宙刑事シャイダー」33話では子供を誘拐し「生き人形」にしてしまう腹話術師(不思議獣メリメリ)。
これも優しくユーモラスな語り口で子供を次々とさらっていく様が恐かった…
どちらも讃美歌やロンドン橋の童謡などの音楽を用いたヨーロッパをイメージさせる粉飾をまとい、フランスパンやおにぎりなど常に物を食べている描写が特徴的で、斎藤さんでしか表現出来ない「モダンで不気味でユーモラスな悪役」像を構築していたのは流石というほかはない。
まさに「個性派俳優」とは斎藤さんのためにある言葉でした。
謹んでご冥福をお祈り致します。