訃報

big-cobra2014-03-09

また一人、昭和の巨星が失われました。
人間風車ビル・ロビンソン
実を言うと塾長はリアルタイムでロビンソンと触れたのはほんの僅か。最も古い記憶は天龍の出世試合となった56年のインタータッグ戦だし、現役最後の来日となった61年のワールド・チャンピオン・カーニバルでは失礼ながらパートナーのテリー・ゴディへのやたら強めなタッチくらいしか印象に無い。
国際時代も伝説の猪木戦も後になってビデオ等で初めて見た、言わば「歴史上の人物」のような存在だったのだが、当世のプロレスに見慣れた目でもその洗練されたテクニックや日本初の善玉外人としてのスター性と存在感、そして何と言っても人間風車と呼ばれたスープレックス、ワンハンド・バックブリーカーといった一撃必殺の説得力は全く色褪せる事がなく、逆に「今のプロレスって本当に進化しているのかな?」と疑問を抱いたほどだった。
晩年は高円寺に長期滞在して後進の育成に励むなど、現役時代にも増して日本との縁が強かったにもかかわらず、生で姿を拝見する機会が得られなかったのが本当に残念です。


以下、プロレス評論家・流智美氏と「昭和プロレスマガジン」などに資料提供をして下さっているHARU一番氏ご提供の秘蔵写真で故人を偲びたいと思います。


PWF王者時代。あと3年早く見始めていれば…

高円寺のUWFスネークピットジャパンでのイベントにて、右は流氏。

「白覆面の魔王」デストロイヤー&その息子カート・ベイヤーと。

鳥人ダニー・ホッジと。



続いて余りにも有名なロビンソンのテーマ、カール・ダグラスの「Blue Eyed Soul」。
この曲が収録されているレコードは幾つかあるが、恐らく日本テレビが使用したのは動画のジャケットのレコードかと。
実はロビンソンより一足早く藤波辰巳が使っているが凱旋帰国時の一回のみで、今では誰が何と言おうとロビンソンの代名詞に他ならない、不朽の名曲である。
実はこの曲はダグラスのオリジナルではなく、彼をプロデュースしたビドゥーなるミュージシャンが率いるビドゥー・オーケストラの作品だとか。
少し前にその事を知り、ビドゥーの経歴やその他の作品を調査していた矢先の訃報でした…。


最後に…
昭和の名選手の訃報を聞くたびに、オープン選手権の時にフリッツ・フォン・エリックが馬場に放った言葉をもじってこう言いたくなる。
「ユーは現世のマット界を空っぽにする気か?!」
改めてご冥福をお祈り致します。