ﾙ*’ｰ’ﾘ ＜１

例えるなら中学時代、コクるために友達に好きな人を呼んできてもらってるのを待つような気分？
いやダメじゃん！
イベント開演前にそれじゃダメじゃん！
完全に桃子の魔性に飲まれてんじゃん！
いやそうは言うけどねアンタ(誰と話してんだ)、握手前ならいざ知らず、イベントが始まる前からここまで緊張するなんて初めてなんだよ。
…ああ完全に桃子マジックにハマったさ、笑わば笑え！
大体な、こんな俺とは大違いで「今日はもぉ、全然緊張してないんですけど〜ウフフ」などとのたまい！
いつもより鋭く直角に小指をピンと立たせ！
短パンでお尻をプリップリさせながら森高の「17才」を歌い！
「VERY BEAUTY」「ロッタラロッタラ」の時に至っては濃いヲタ衆がひしめく客席通路に何度となく降臨して数往復！
そして握手の時の会話では史上最多の３ターン！
こんな桃子の猛ラッシュに、一介のしがないオッサンがどう抗えるというのだ？！
「皆さんはもぉにメロメロですよね〜」
・・・分かってんじゃねえか・・・。
「ああ…応募しなきゃ良かった…」などという悔恨の台詞を吐くには最も似つかわしくない、口許に至福のニヤニヤを湛えたまま帰路に着く塾長であった…。